漆×おもてなしのコーディネート

vol.7 重陽の節供・菊尽くしで長寿を祈る

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九月九日は1年のうちの最後の五節供である《重陽の節供》で、別名《菊の節供》とも呼ばれています。
古来より、奇数は縁起の良い‘陽数’と考えられていて、一番数の多い奇数が重なる‘重陽’は
非常におめでたい反面、悪いことにも転じやすいと考えられ、お祝いと共に厄祓いもしていました。
 
菊は中国から薬草として伝わり、延命長寿の力があるとされてきました。
重陽の節供では、菊の花を飾り、菊の花びらを浮かべた菊酒を頂いて健康長寿を願います。
 
敬老の日も近いこの時期。
おじいさま・おばあさまをお招きして、菊尽くしのお食事会はいかがでしょうか。
栗ご飯や、秋茄子に、食用菊を添えて、秋の味覚を楽しみます。
お食事の〆は美しい菊のお菓子と中国茶でほっこりと。
秋の夜、健康と長寿を祈りつつ、共に食卓を囲める幸せを感じるひとときです。

ワンポイント

コーディネートの主役となっているのが、牡丹彫りのお椀と銘々皿です。
漆器の伝統的な手法・柄である牡丹彫りは、艶のある漆の黒に繊細な朱色で描かれた牡丹が映え、使うたびに豊かな気持ちになれる上品で華やかな器です。
お食事を盛り付けたのは【Kasane HACO 入れ子】の溜です。
大きさ違いの三つの器を重ねることで、食卓に愉しいリズムが生まれます。
写真のようにお料理を盛り付けるのは勿論のこと、お花を活けたり、インテリアとしてお部屋に飾ったりと用途は様々。
溜の他にも、朱と白漆があり、現代の生活空間を彩る器として、多様にお使い頂けます。

■ 今回ご紹介した商品はこちらからご購入できます。

『漆 × おもてなしのコーディネート』は、季節にあわせてテーマをかえながら漆器を使ったおもてなし、塗り物の上手な活かし方を写真を使ってご提案する山久漆工の新たな企画です。
テーブルコーディネーターとしてご活躍中の水谷美枝子さんがコーディネイト、文章、撮影を担当します。
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水谷美枝子(みずたに みえこ) テーブルコーディネーター
商品ディスプレイ、セミナー講師の他に、東京都三鷹市の自宅サロンにて、テーブルコーディネート&おもてなし料理提案サロン【Table meets style】を主宰。
都内では珍しいコーディネート実習中心のレッスンに注目があつまっている。
ブログ http://mstyletable.blog.fc2.com