vol.8 十三夜の月見会
月を愛でる習わしは、平安の頃より始まったようです。
お月見と言えば、中国から伝わった‘十五夜’が有名ですが、その後にやってくる日本独自の風習である‘十三夜’にも、風情を感じます。
満月よりも、これからまさに満ちようとする十三夜の月に魅かれる心は、日本人特有のものかもしれません。
十五夜を『仲秋の名月』『芋名月』とよぶのに対し、十三夜は『後の月』『栗名月』と言い、この両方を合わせて『二夜の月』とよばれています。
2016年の十三夜は10月13日。
十三夜の月見団子は、下に9個・上に4個の計13個を2段で飾ります。
黒豆で炊いた栗ごはんや、季節の野菜をたっぷりと煮込んだ根菜汁など、月と秋の収穫
にちなんだ献立で、月見会を開きます。
美しい月を愛でながら、ひんやりとした空気に秋の深まりを感じ、しみじみとした気持ちになる静かな夜です。
ワンポイント
美しい月に見立てた白漆の丸皿の上に『栗名月』にちなんで、かわいらしい栗型ボックスを置き、中には、栗と南瓜の前菜を入れました。
太陽と月を表す日月椀は、ホワイトを選んで軽やかな印象に。
総白漆の三段重は、合わせるものによって、様々なイメージを演出できる便利な器です。
お正月などの改まった席にもピッタリですし、洋食器との相性も良いでしょう。
今回は白木の折敷と色のトーンを合わせて、少しカジュアルな雰囲気でまとめました。
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『漆 × おもてなしのコーディネート』は、季節にあわせてテーマをかえながら漆器を使ったおもてなし、塗り物の上手な活かし方を写真を使ってご提案する山久漆工の新たな企画です。
テーブルコーディネーターとしてご活躍中の水谷美枝子さんがコーディネイト、文章、撮影を担当します。
水谷美枝子(みずたに みえこ) テーブルコーディネーター
商品ディスプレイ、セミナー講師の他に、東京都三鷹市の自宅サロンにて、テーブルコーディネート&おもてなし料理提案サロン【Table meets style】を主宰。
都内では珍しいコーディネート実習中心のレッスンに注目があつまっている。
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