漆×おもてなしのコーディネート

vol.11 節分

立春を迎える前日の夕暮れは、あちこちの家から豆まきの声が聞こえます。
「鬼は外 福は内」
福豆をまいて鬼(厄病・災厄)を追い出し、福が出ていかないように戸を閉めます。

『節分』は‘季節の分かれ目’という意味があります。
もともとは、立春・立夏・立秋・立冬、それぞれの前日を指していましたが、江戸時代以降、立春正月を一年の初めと位置付けて、立春の前日が『節分』として定着しました。
平安時代に宮中で行われた<追儺(ついな)>と呼ばれる悪霊を祓う儀式がその起源です。

節分の日は、豆まきの他にも、柊の枝に鰯の頭をさしたものを戸口に立てて、邪気を払ったり、太巻きをその年の恵方に向かって無言で丸かじりする等、土地ごとの風習があります。年の数だけ福豆を頂き、開運招福・家内安全を願う春の宵です。

ワンポイント

インパクトの強いオレンジのテーブルクロスに、同系色の小判パーティー皿を合わせました。楕円形の器に、恵方巻きや鰯の煮つけなど、節分の献立を盛り付けました。
クロスの柄とリンクしているようにも見える【牡丹彫り】の銘々皿と丸盆は、黒と朱のコントラストが美しく、テーブルに華やかさを添えています。
溜塗りの越前塗箸や、豆型箸置は、素朴で優しい趣があります。
立春と言えども、一年で最も寒いこの季節。明るく温かい食卓を囲んで、家内安全と開運招福を願います。

■ 今回ご紹介した商品はこちらからご購入できます。

『漆 × おもてなしのコーディネート』は、季節にあわせてテーマをかえながら漆器を使ったおもてなし、塗り物の上手な活かし方を写真を使ってご提案する山久漆工の新たな企画です。
テーブルコーディネーターとしてご活躍中の水谷美枝子さんがコーディネイト、文章、撮影を担当します。
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水谷美枝子(みずたに みえこ) テーブルコーディネーター
商品ディスプレイ、セミナー講師の他に、東京都三鷹市の自宅サロンにて、テーブルコーディネート&おもてなし料理提案サロン【Table meets style】を主宰。
都内では珍しいコーディネート実習中心のレッスンに注目があつまっている。
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